大学の当事者がいろいろと弁明しても、これが現実だ。日本に私立大学は約600校もあるが、そのうち半分は定数すら満たしていないわけである。18歳人口はこれからもどんどん減っていく。「だれでも入れる大学」で「高等教育」などありえない。その子息の「教育もどき」に学費だけで年間100万円以上、保護者は負担している。ムダつがいにもほどがある。これで、保護者は経済的に疲弊し、分数の足し算もできない学生は非正規労働者になるのがやっとのこと。
この現象が、地方私大から大都市私大へ拡張している。残れるのは慶応・早稲田・上智・ICUやMARCH、関西では関関同立ぐらいだろう。人口減の著しい地域の国公立も危ない。独立学校法人となってから、優劣が拡大している。秋田大学・高知大学・鳥取大学等に、あえて行きたい学生がいるとは思えない。
小学生から学習塾へ月に数万円を支払い、中学・高校と私学でこれまた高い学費、やっと入った大学は、授業料が年額200万円もする底辺の薬学部。そこでは学生の半数以上が薬剤師試験にも到達せず、退学あるいは留年等を繰り返し、20代後半で薬剤師の道を断念。多額の費用をかけたわりにはリターンはなし。別の就職先もなし。
実情。下位の私立大学になればなるほどその比率はあがります。偏差値40以下の薬科大学なんか、半分も薬剤師になれません。現役で受からなければ国家試験浪人してもそう簡単には受かりません。3年くらい頑張ってあきらめる人が殆どです。もちろん職もなく、厳しい現実が待っています。
これなら風俗で働いた方がなんぼか経済的だろう。
「いまは大学を出ても、まともな会社の社員になれない時代。子供には国家資格を取らせ、手に職をつけさせてやりたい」
そう考える中高年は多いのではないか。
我が子が医者や弁護士になれるだけの学力があればいいが、それは無理。ならば、偏差値50~60台で有名大学に入学できて、社会で通用する国家資格を得られる薬学部に我が子を進学させたい。実は弁護士もいまや貧困職の隠れた代表。司法試験に合格しても3人に1人は就職浪人をしている。
そう考える中高年は多いのではないか。
我が子が医者や弁護士になれるだけの学力があればいいが、それは無理。ならば、偏差値50~60台で有名大学に入学できて、社会で通用する国家資格を得られる薬学部に我が子を進学させたい。実は弁護士もいまや貧困職の隠れた代表。司法試験に合格しても3人に1人は就職浪人をしている。
、唯一の花形のような医師も、あと20年ぐらいで過剰時代がくるのだ。
その親心はわかるが、無理はしない方がいい。薬学部に入れても4割は薬剤師になれないからだ。3月末に発表された第99回薬剤師国家試験は1万2019人が受験し、合格したのは7312人。合格率は60.84%(第90回は84%)だった。
■東京薬科大は100人以上が不合格
「国公私立大学の薬学部は計73校ありますが、薬剤師国家試験予備校の『メディセレ』によると、6年生新卒の大学別合格率は慶応大で82%、北里大78%、昭和大63%、帝京大52%。入試偏差値が低い大学は惨憺たるありさまで、第一薬科大は22%、奥羽大が26%、日本薬科大が34%、北陸大は35%でした」
その親心はわかるが、無理はしない方がいい。薬学部に入れても4割は薬剤師になれないからだ。3月末に発表された第99回薬剤師国家試験は1万2019人が受験し、合格したのは7312人。合格率は60.84%(第90回は84%)だった。
■東京薬科大は100人以上が不合格
「国公私立大学の薬学部は計73校ありますが、薬剤師国家試験予備校の『メディセレ』によると、6年生新卒の大学別合格率は慶応大で82%、北里大78%、昭和大63%、帝京大52%。入試偏差値が低い大学は惨憺たるありさまで、第一薬科大は22%、奥羽大が26%、日本薬科大が34%、北陸大は35%でした」
この話はそのまま受け取ってはいけない。国家試験を受けるためには、薬学部を卒業していなくてはならない。この卒業に至らず、留年を繰り返し、やがては退学していく者は、合格率にすら含まれていない。
やっとのことで薬剤師になれても、一流の製薬会社で研究職になれるのは旧帝大の博士課程を上位で出た人ぐらい。残る大半は、開業医のすぐそばにある調剤薬局で、タブレット錠剤の袋詰めをしているに過ぎない。あんな作業は機械でもできる、いや機械のほうが正確だろう。コンビニの店員さん以下の仕事である。