Quantcast
Channel: 神戸・元町からの気まぐれ日記
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1813

国籍という概念をなくそう!

$
0
0
イメージ 1

 カルロス・ゴーン被告の事件では、ゴーン被告がフランス政府に助けを求めたり、駐日レバノン大使らが勾留中のゴーンを訪れたりしたと耳にします。妻のキャロルさんも、捜査当局にレバノンの旅券を押収されたものの、アメリカ旅券でフランスへ出国したと報じられました。2人とも複数の国籍を持っているとみられますが、こうした「重国籍」は日本ではあまりなじみがありません。いくつも国籍を持つというのは世界では普通のことなのでしょうか? 専門家の2人に話を聞きまししょう。
 まずは国籍法が専門で、二重国籍の問題でも積極的に発言している中央大法科大学院の奥田安弘教授です。
 ――ゴーン前会長はフランス、レバノン、ブラジル、三つの国籍を持っているようです。どうしたら三つも国籍を持つことができるのでしょう?
 まず前提として、どのように国籍を取得するのかは、それぞれの国が自国の歴史や伝統、外国人政策などを考慮して、独自に決めています。生まれた時点での国籍の決め方は、大きく二つあります。①親と同じ国籍を取得する「血統主義」と②生まれた場所の国籍を取得する「出生地主義」です。実際には二つを併用したり、例外を認めたりしている国が多く、完全に二つには分けられないのですが。成長してから新たに国籍を取るには、いくつも条件をクリアしないといけなかったり、申請や届け出などの手続きが必要になったりします。
 ――ゴーン前会長の場合、両親がレバノン人、生まれたのはブラジルで、その後レバノン、フランスで教育を受けたようです。
 レバノンは血統主義、ブラジルは出生地主義を原則とする国です。ゴーン前会長について詳細に把握しているわけではないので推測も混じりますが、レバノン人の両親を持ち、ブラジルで生まれたのなら、生まれたときに両国の国籍を取得しているはずです。その後、成長してからフランス国籍を取得したと考えられますが、フランスは他の国籍を持っていてもそのまま保持しておいて構わないとする国なので、そのままブラジル、レバノンの国籍が残ったのだと思います。ブラジル、レバノン側も、別の国籍を新たに取得したからといって、自国の国籍を抹消することにはしていない国だと考えます。
 
<大坂なおみ選手は日本とアメリカの両方の国籍を持つことができる! 日本代表にもなれるし、アメリカでの経済活動もできる>


早いものでその希望が叶った!でも実は、その希望は前から叶っていたのだ。つまり、前から日本の法律は二重国籍を容認している。「日本は二重国籍を認めない」という認識が間違っていたのだ。その事実に気づかせてくれたのは、国籍法にまつわる裁判に取り組んでいる近藤博徳弁護士と、日本の国籍法改正に向けて運動中のトルン紀美子さん。ここで2人の話をたっぷりとパクろう。

まず二重国籍を考えるときは、4つのパターンに分けると分かりやすい。
▼1つ目は、日本人が意図的に外国籍を取得したケース。
▼2つ目は、日本人が国際結婚などで自動的に相手の国の国籍を得た場  合。
▼3つ目は、外国人が日本国籍に帰化したとき。
▼4つ目は、国際結婚の子供など、未成年のうちに複数の国籍を持つケース。
  多くの人はこれらを全部ひとまとめにして考えているけど、この4つは法律上の扱いが微妙に異なることをきちんと理解してもらいたい。
一番分かりやすいのは、1つ目の日本人が外国籍を意図的に取得したケース。正確にいうと、「元日本人」だ。なぜなら法律上、外国籍を取得したとたんに、日本国籍は自動的に解消されるからだ。つまりこの場合、「二重国籍」になり得ない。決まりとして、外国籍を取得した人は日本政府に「国籍喪失届」を出さなくてはいけない。しかし、届を出さなくても二重国籍にはならない。その人は、日本の旅券を持ち続けるかもしれないし、戸籍が資料上に残るかもしれないが、それらは実体のないものになる。近藤弁護士によると、その状態の人は重国籍者ではなく、日本人のように振舞っている外国籍の人に当たる。

国籍解消後の「元日本人」は在留資格なしで日本に滞在している場合、退去強制手続きの対象になり得るという。
 
2つ目の場合は、これとまったく異なる。日本人が外国人と結婚したり、養子縁組をしたり、両親がどこかの国に帰化したり、外国人の父に認知されたりすると、国によっては、自動的にその国の国籍が与えられることもある。国際結婚おめでとう! ウェディングプレゼントは国籍! そうなると、本人の志望による外国籍取得ではないし、当然この場合、日本は二重国籍を認める。
 
3つ目のケースはまた少し違うが、日本に帰化する外国人も二重国籍になり得る。国によっては、自国籍を先に解消しないと外国への帰化をさせてくれない国もあれば、(日本と同じように)外国籍を取得した時点で、母国の国籍が自動的に解消される国もある。そんな国の人は日本国籍を取得しても当然、二重国籍にならない。しかし、それと逆に、他国に帰化しても、母国の国籍放棄を認めない国もある。そんな国の国民が日本国籍を取得した場合、日本は二重国籍を認める。
また、上記のように国籍の放棄を「絶対させる国」と「絶対させない国」のほかに、どちらでもない国もある。その国の人は日本国籍を取得したらどうなるのかというと......本人次第だ! 母国の国籍を離脱してもいいし、しなくても日本国籍を持つことができる。この場合、日本は二重国籍を認める。
では、4つ目は大坂選手のように、外国人と日本人の間に生まれたり、または日本人の親の下に出生地主義の国で生まれたりするなど、ほぼ生まれつきで二重国籍になる人。その場合、日本は二重国籍を認める。
つまり、日本国籍が自動的に解消される、1つ目の「意図的に外国籍を取得した人」以外は、どのケースでも二重国籍は認められる。一般的な「常識」に反する驚きの事実だ。複数国籍は合法だ! 「合法じゃない」は誤報だ! 
そもそも、なんで勘違いしている人が多いのか。それは、法律が分かりづらいからだ。国籍法によれば、国際結婚をした人も、日本に帰化した人も、「生まれつき」外国籍を持つ人も、つまり2つ目から4つ目のどのケースでも日本国籍をキープしたいなら、それを選ぶ「選択宣言」をしないといけない。そして、その後「外国籍の離脱に努める」ことが規定となっている。しかし、それに伴うチェック機能もなければ、離脱に努めていないときの罰則もなにもない。
これが勘違いの元。「努めなければならない」はこの場合、どうやら「努めなくても大丈夫」に近い意味だ。法律にもそんな「暗黙の了解」が含まれている。
 実際、「選択宣言」で日本の国籍を選んだ時点で法的な義務は果たされることになり、他国籍を持ったままでも問題はないという。現に、法務省によると二重国籍の可能性のある人は全国に約89万人もいる。そして、その数は今後も増えていくだろう。

その中の1人は大坂選手かもしれない。22歳の誕生日までに選択宣言をしておけば、そのまま日本とアメリカの両方の国籍を持つことができる。アメリカが課する「国籍離脱税」を納めなくて大丈夫。日本代表にもなれる。アメリカへの出入国やアメリカでの経済活動もできる。   
 
 国籍はとてもプライベートな問題であり、他人に口出す権利は誰にもない。ということで、大坂なおみ選手の二重国籍は認められる。うれしい限りだ!
でも、だからと言って、制度を改善しなくてもいいとは思わない。まず、1つ目のケースである「意図的に外国籍を取得した日本人」にも日本国籍の保有を認めるべきではないかと思う。世界各国に移住して活躍している日本人はたくさんいる。他国で国籍取得に値する活動をしても、それが日本国籍を解消されるほど日本に実害を与えているとは思えない。
そもそも、先進国の間で優秀な人材の取り合いが続いている昨今、二重国籍を認めようとする国が増えているのだ。2つの国や文化、言語などを知る国際的な人材は貴重な資源でもある。「日本の法律で裁かれる」などと条件を付けてもいいし、同盟国に限定したり、何らかの制限を付けてもいいから、海外で活躍する日本人にも、日本と世界をつないでくれる外国人にも二重国籍を認めるべきではないだろうか。
少なくとも4つの中の3つのケースに関しては、既に二重国籍が認められているならば、それがすぐ分かるように法律で明文化してもいいのではないか。今のように紛らわしいままだと、外国籍を持つ日本人が、本当は認められているのに、「ズル」をしている「隠れ二重国籍」だと思われてしまう恐れがある。

なんだかんだで、世界中の人たちが20や30の国籍を持てば、逆に国籍という概念が消失するだろう。つまり国家という枠組みから、人類は自由になれるのだ。国籍とは、個人と特定の国家を法的に結びつける絆であり、18世紀以降の欧州でブルジョア市民革命を経て国民国家という概念が生まれたが、これに対応して形成された概念である。 いまも文字を持たない文化が存在するが、国籍を記録することもできないはずだ。無国籍児という存在は、こどもに一切の責任はない。

人間が作り出した「枠組み」に縛られないで、もっと自由に生きよう!冒頭のジョン・レノンもそう言っている。共同幻想である宗教、「なにから、なにを守るのかもわからない大量殺戮兵器、こんなものはいらないよ。

 




Viewing all articles
Browse latest Browse all 1813

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>