地方自治というものの、兵庫県の井戸知事は旧・自治省の出身で5選を目指している71歳。この年齢からさらに4年間、殆ど休みなしの生活がまだしたいのだろうか、よくわからない。
神戸市長も、この秋に改選されるが、現市長の久元氏は再選を目指すと表明したところだ。久元も自治省の出。事務次官レースに敗れて神戸市の副市長となり、そのまま市長となった人である。
私は、地方自治体の首長を5期20年も続けるのは「よくない」と考えている。側近は、あるいは側近になるには知事のイエスマンばかりとならざるを得ないだろう。35歳の働き盛りの職員は、定年が迫ってきた55歳まで、井戸知事に追随するわけだ。
戦前、内務省という強大な官庁があった。警察組織もこのなかに含まれていた。内務省はGHQにより解体されたものの、それはかたちだけ。いまでも、全国の知事の半数以上は中央官僚、特に自治省・総務省を中心とするキャリア組である。地方自治体のトップが実質的にキャリア官僚の天下りとなっていては、地方「自治体」とは名前だけとなってしまうのも当然だ。
「国との太いパイプ」という言葉こそあまり聞かなくなったが、かつて自分の部下であった連中が総務省を動かしているわけで、○○年組という序列に縛られているキャリアも、先輩に失礼はできない。こうした人間関係で、国と地方が相互に独立した自治が行われるとは到底思えない。
兵庫県知事選には、異色の勝谷誠彦が出場した。事実上、井戸との一騎討ちだろう。