私が「世界のいまの人口」をはじめて知ったのは、1960年ごろの「30億人」であった。それから60年たって、75億人ほどにもなった。実に2.5倍である。地球という「動物園の檻」にいると考えれば、短期間でとんでもない過密化が進んだわけだ。この人口爆発は産業革命の時期から始まっている。
動物にとって種の保存を考えれば、個体数が減少するのはもちろん危機だけど、増えすぎるのはそれに増してピンチである。同じモノ=エサを食べる同種個体の激増は、種そのものを滅ぼしてしまう危険がある。
2050年、あと30年で世界人口は100億人に達するとの予測がある。
日本では、東京圏を除く各地方自治体は、いま口を揃えて「過疎化を防ぎ、人口減少をとめよう」と必死だ。一極集中の東京圏も、30年ぐらいしたら、日本最大の超高齢者の自治体だらけとなる。
地球全体というマクロでは、特に貧しいアフリカで「人口爆発」は続き、先進国の過半では「人口減少」で滅亡の危機すらある、というのは矛盾のように思えるが、否定できない現実だ。根底にあるのは、貧富の格差だろう。もうひとつ、ヒトは生殖のためにSEXするのではない。個体数を調整する機能を、代償として失ったというべきだろう。