今日は『金曜日』。通称「週刊金曜日」は、主に政治・社会・環境問題を扱う週刊誌だが、創刊25年を経て、かなりの経営危機にある、と当誌も認め、存続に必死のようだ。
「スポンサーや広告主に阿らずに市民の立場から主張できるジャーナリズム、権力を監視し物申せるジャーナリズム」を目指し、また、休刊した『朝日ジャーナル』の思潮を受け継ぐものとして創刊された。「日本で唯一の、タブーなき硬派な総合週刊誌」を標榜しており、反戦・人権・環境問題など市民運動・市民活動の支援、体制批判を主に扱っている。
当初から郵送による「定期購読」を柱にしてきたので、都市の大型書店ぐらいしかでしか販売されていなった。だから、地方の方は一部の図書館でしか実物を見ることもできなかった。この販売路線が、低迷の大きな要因かと私は考えている。IT社会に置き去りとなった。
最近の特集としては、テレビ・新聞業界のタブーに迫った「電通の正体」、メーカータブーに迫る「トヨタの正体」など。憲法改正論議では、一貫して護憲の立場を取っている。
誌名の名付け親は久野収。戦前(1936年 - 1937年)に久野と中井正一らが発行した週刊『土曜日』と、フランス人民戦線の雑誌『Vendredi(金曜日)』にちなむ。
なんだかんだ言っても、本多勝一の存在が大きい、とだれもが認めているだろう。私は、創刊時からの定期購読者だった。過去形なのは、事実上の責任者・本多勝一が月刊誌「噂の真相」で、彼のリクルート接待疑惑を批判され、悪あがきの末事実上「敗北」した経緯・過程に呆れ、定期購読をやめた。
![イメージ 2]()
創刊時5万部余が、いま1.5万。収入が3分の1になっても、編集・製本の費用はたいして変わらないだろうから、下げられるのは原稿料くらい。これでは、膨大な資料を集めるだけでも、費用と日時を要する論文など書けやしない。本多らはかなりの年金で生活できるだろうが、中堅のライターは、やってられない。
いっそす、「無料メルマガ配信」にしたほうが、読者も増えるだけでなく、社会的な影響力も強められる、と思うのだが。
編集委員
.