どうしようもない大赤字路線だ。毎年60億円ほどの赤字で、西神山手線で稼いだ黒字額をいつも帳消しにしている。御崎公園のノエビアスタジアムでサッカーなどの試合があるときだけ、座れないことがある、というぐらいガラガラが常態化している。
沿線をしばらくぶりにジョギングすると、大企業の工場がいくつかあるものの、とにかく人がいない。三宮と神戸駅はJRなら120円、これが地下鉄だと210円。新長田までなら三宮からJRは180円、地下鉄は270円。遅いのに高いのだ。
中央市場前に、イオンが開店する準備をしているようだが、ここへのお客は大半が自家用車だろう。こんな路線を造らずに、兵庫駅から南下するJRの和田岬線を改良すれば、ノエビアスタジアムの横へすぐだ。イベントのないときは、本数をぐーんと少なくすればよいだろう。現行の地下鉄は「閉鎖」するしかない。これで毎年60億円が節約できる。
一方、和田岬線と競合関係にある地下鉄海岸線を運営する神戸市は、2001年7月に地下鉄海岸線を開業させた。地下鉄の開業によって多くの利用客が和田岬線から移るとし、和田岬線の廃線を前提として利用者数は年間13万人と予測をしていたが、海岸線の利用客は予測を大きく下回った約4万人で推移し、累積赤字は約830億円に達しており、神戸市が和田岬線の廃線を求めているのは、地下鉄海岸線の利用促進を図る狙いもあるとみられている。しかし、和田岬線の乗り換え駅である兵庫駅周辺の商店街からは反発の声も上がっており、JR西日本も黒字路線で廃止を求める理由はまったくないとしながらも、廃止は地元の総意を条件に検討するとしている。